他社にはない独自の評価軸で、活躍人材の「原石」を掘り起こす

人事部 部長代理/人材開発室 室長 加藤陽介 様(右)
人事部 人材開発室 調査役/採用担当 磯岡智貴 様(左)
人事部 人材開発室 副調査役/採用担当 上管由起奈 様(中央)
  • 社名:株式会社千葉興業銀行
  • 業種:金融業
  • 従業員数:1245名(2025年3月31日現在)
  • GPS-Businessご利用の目的:新たな評価視点の導入、インターンシップ内での活用

1952年に設立された、戦後生まれの地方銀行。2025年に新たなパーパス「いちばん近くで、いちばん先まで。千のしあわせを、興そう。」を策定、顧客への伴走支援を重視している。第一次産業活性化の一環としてイチゴ農園を運営し、働き口を提供するなど、地域の未来を考えたユニークな取り組みも。
売り手市場かつ都市部の企業に人気が偏る中、他社とは異なる視点で、活躍人材を早期に見極める方法を模索していた。

この企業の活用ポイント

  • ・他社とは異なる基準で、潜在能力のある学生を早期に発掘
  • ・選考の初期段階で潜在能力を可視化し、その後のフローでの所見と合わせて総合的に評価
  • ・GPS-Business結果を本人にフィードバックし、「変化」と「成長」の機会を提供

導入前の課題

年々難度が高まる母集団形成。競合にはない独自の人材評価軸がほしい

新卒採用の全体像をお聞かせください

加藤様:毎年60人前後を総合職として採用し、入社後に法人渉外か個人渉外のいずれかを選択してもらいます。2027年卒者は、エントリー→オープンカンパニー→夏のインターンシップ→秋の会社説明会などのイベント→11月頃から面接というフローで早期選考を行い、その後、本選考を受け付けています。

求めているのはどのような人材でしょうか

加藤様:新卒採用で求めている人材像を、弊行では「鶏口人材」という言葉で表してきました。故事成語の「鶏口となるも牛後となるなかれ」が由来で、組織の大小に関わらず率先して中心的な役割を担い、周囲から必要とされる人材を指します。

「鶏口人材」の具体的な能力要件として、新卒採用においては「思考力」「向上心」「自主性」の3つを重視しています。中でも思考力は、入社後の研修においても育成に力を入れている能力です。近年は、単に商品を提案するにとどまらないコンサルティング型の営業に比重を置いており、お客さまに寄り添って共に課題を探り、解決の道を探っていくには思考力が欠かせません。

どのような課題がありましたか

加藤様:売り手市場が半ば常態化する中で、銀行業界の人気は相対的に下がりつつあります。にもかかわらずメガバンクは採用数を増やす傾向にあり、また、学生の都市部勤務志向も強まっています。 特に千葉県は半島という地理的特性上、他県からの流入が少ないという課題があります。今は一定以上の競争率を保てていますが、将来に向けて母集団形成のハードルが上がっていくのは明らかです。
このような状況下、競合と同じ土俵で戦い続けていては、新入社員の質向上は望めません。他社とは異なる基準で優秀な人材を掘り起こす、言い換えれば、「磨けば光る原石」のような学生を発掘する方向に活路を見いだそうと考えていました。

活用方法

インターンシップ選考、本選考で、活躍の可能性を見いだす一資料として活用

GPS-Businessを選定した理由をお聞かせください

加藤様:「原石」を見つけるには、出身大学や華々しい活動履歴のような他社も評価する実績や、従来私たちが持っていた「いい人材だ」と感じる観点とは別の指標を採り入れる必要があります。新たな観点で潜在的な能力や姿勢を測れる適性検査がないかと、あらゆるセミナーに顔を出しました。唯一「これだ」と感じたのがGPS-Businessです。
選定の最大の理由は、弊行が重視する「思考力」をダイレクトに測定できる点です。学歴に左右されず、他社が見逃すかもしれない思考力豊かな人材を発掘できる点に魅力を感じました。
また、それまで使用していたテキストベースの適性検査では、回答の信ぴょう性に懸念があり、実際、測定結果と実際の人物像にギャップを感じるケースもありました。GPS-Businessは音声や動画を用いたアセスメントで、実務に近い能力を測れると考えられ、顔写真の撮影等を活用した不正抑止機能にも信頼が置けました。

まずは社員の皆さんが受検されましたが、どのように感じましたか

加藤様:導入前、試しに人事部の社員数人が受検して感じたのは、「使い方次第で、従来なら見送っていた人材の魅力を発見できそうだ」という期待です。

社員同士で結果を見比べたところ、自己評価においても他者評価においても「確かにそういう面がある」と、スコアには大いにうなずけました。一方で、例えば「批判的思考」のスコアが高い人が、必ずしも批判的思考を武器に活躍しているわけではない。つまり、社員間で感じている表面的な強みと、高スコアとして表れた潜在的な強みが異なる場合もあるということです。おそらく、潜在的な強みが下支えとなって、別の強みを発揮しているのでしょう。
したがって、スコアが高い人を機械的にセグメントしても、必ずしも私たちが考える原石に当てはまるとは限らず、書類や面接等の評価と併せて総合的に見る必要があるだろうと考えました。

選考において、GPS-Businessをどのように使われているのでしょうか

加藤様:初年度は導入時期の関係から本選考のみに活用しましたが、2027年卒者からは夏のインターンシップ参加者の選考にも活用しています。「鶏口人材」の要件に合致する学生を早期に見極めたいこと、加えて、フローの初期段階でスコアがわかれば、その後のフローでの所見と合わせてより総合的な人物評価ができることが理由です。インターンシップの選考、本選考いずれも、エントリーシート(ES)とともにスコアを参照。ESに記述された強みとスコアのバランスを確認したり、面接時に掘り下げるべき質問を検討したりしています。

受検者へのフィードバックは行われていますか

加藤様:インターンシップの参加学生には個人結果レポートを返却したうえで、スコアの振り返りをプログラムの一つとして採り入れています。具体的には、当行が作成した「振り返りシート(図1)」を用い、自己認識とGPS-Business結果を比較させて、自身の強みや課題について考えてもらいます。それまで自覚していた強みや課題を改めて確認したり、新たな強みや伸びしろに気づいたりする機会になります。

【図1】振り返りシート

さらに、グループワークのメンバー間でも強みや課題を共有し、互いの長所を活かし、弱みを補完し合う「チームビルディング」の資料として使ってもらいます。選考の材料としてだけでなく、学生の自己理解と成長を促す教育的なツールとしての役割を持たせました。 弊行のインターンシップの目的は、参加学生に「変化」と「成長」の機会を提供すること。入行の有無に関わらず、社会人としてのキャリアや自身の強み、課題を深く考え、成長できる場とすることを企業としての責任・使命と捉えています。
なお、本選考から参加した学生にも、面接で結果を伝えています。

成果と展望

インターンシップのワークが充実、参加学生の満足度も向上

GPS-Business導入後の変化について教えてください

加藤様:スコアという客観的な評価が加わったことにより、インターンシップでの学生の自己分析やグループワークの質が高まったように思います。
また、就職活動中に適性検査のフィードバックを受けられる機会は少ないことから、学生の満足度向上にも寄与しています。特に「協働的思考」は自己評価よりもスコアが低く出る学生が多く、その後のプログラムに課題をもってより真剣に取り組む教育的効果が見られました。

運用側の所感としては、インターンシップの各学生の様子とスコアを照らし合わせると、スコア通りの高い能力を発揮する学生がいる一方で、実務では能力を充分に発揮できていない学生もいるという気づきがありました。能力を保有していても発揮できていないということは、「磨けば光る」可能性があるとも言え、今後の選考や人材育成の方針を考えるうえで重要なヒントになっています。

GPS-Businessを今後どのように活用されますか

加藤様:入行後の人材育成や人材配置にスコアを活用していければと考えています。内定者の教育担当者や入行後の研修担当者とスコアを共有すれば、個々の特性に合わせた育成プランの策定、配属の検討などに役立てられそうです。
数年経てば、入行前のスコアと入行後のパフォーマンスの関係を分析できるようにもなるでしょう。そこから得られた知見を採用基準にフィードバックし、選考精度の向上につなげるサイクルを作りたいですね。
採用戦略としては、売り手市場や獲得競争の激化に対応するため、今後も引き続き、「鶏口人材」となり得る学生をより早い段階で見極めることを目指します。面接が進んでから優秀さに気づくのではなく、GPS-Businessのスコア等を指標として初期段階で有望な学生に着目し、早期選考への誘導や個別フォローなど、優先順位をつけたアプローチを行って、優秀人材の確保をより確実なものにしていく考えです。