理工系学生にも不可欠な「思考力」の可視化や、学生のポテンシャルを入学前に把握する
ツールとしても役立てたい

教学改善 入試検証

国際キャリア科 教授/教育開発センター 所長

吉田 司雄先生

導入目的

  • 理工系学生にも不可欠な「思考力」を可視化するツールとして
  • 入試経路別の学生の傾向を可視化し、入学前教育の改善に役立てる
  • GPAでは測れない各学生の強みを把握し、目標設定の指針とする

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01

文系だけでなく理工系の学生にも「思考力」「表現力」が求められる

AIが活躍する次世代の社会では、人間の職業が大きく変わると言われています。学生たちが羽ばたいていく社会でどのような人材が求められるのか。これは、我々のような理工系大学共通のテーマです。
工学院大学では、この高度IT化・グローバル化の時代を「生き抜く力」の養成に力を入れています。大切なのは、理工系の学びを通して鍛えた「思考力」、そして「表現力」だと考えています。せっかくの専門知識も「考えて応用する力」「発信して周囲を巻き込む力」がなければ、社会にインパクトを与えることはできません。文系の学生に必要だと思われがちな「思考力」や「表現力」は、理工系の学生にこそ必要なのです。
そこで工学院大学では、1年次から論理的思考力を鍛える「ロジカルライティング」という共通科目を設置。それを2年次以降の「キャリアデザイン科目」と連携し、早期から「思考力」と「表現力」の土台づくりを行っています。こうした科目群において、必要になるのが身につけた力を評価するための指標です。そこで、「思考力」の評価基準を持つGPSに興味を持ちました。

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02

入学前教育で各学生の「強み」を把握し、それを伸ばす取り組みに役立てたい

今回(2018年実施)は、入学前教育の一環として、AO・推薦入試の入学予定者を対象にしてGPSを実施。CBT(Computer-Based Testing)方式を利用して、すべて自宅のPCで受検してもらい、大きな問題なく終えることができました。この段階での実施にはもちろん理由があります。GPSでは、「創造性」や「行動力」など、学業の成績にあたるGPAだけでは見えてこない各学生の強みを把握できます。今回の受検結果からも「思考力」と「パーソナリティ」を軸とした各学生の傾向を見ることができました(図B)。こうしたデータを用いて、各学生のポテンシャルを活かすために何が必要なのかを早期に提示し、入学前から伸ばしていけるシステムの構築をめざしたいですね。
昨今、入学生から「将来の夢が見つけられない」という悩みをよく聞きます。将来を見据えるには、まず自分の強みを把握し、それを伸ばしながら、自信をつけることが第一歩。GPSは、将来の目標設定のコンパスとしての役割も担えるのではないかと思っています。

思考力×態度でプロットし、グループ化&今後の指導方針確立

思考力×態度でプロットし、グループ化&今後の指導方針確立

上記の学生を把握し、個別指導を行う

上記の学生を把握し、個別指導を行う

図B : 思考力×パーソナリティ(課題に向き合ったときの姿勢)を軸としたクロス集計を実施。その結果から今後の学生の指導方針を検討
※データはイメージです

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  • 2020年度 GPS-Academic活用オンライン研究会
    ~学生・大学への効果を最大化する活用方法を考える~
    「初年次思考力育成の事例~アセスメントとレポート評価を連携させた思考力育 成の取り組み~」