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学修成果としての汎用的能力の指標の導入とその活用
GPS-Academicと入試データで学生の多様性を検証
2018年度からの第3期認証評価では、実際に内部質保証システムが機能しているかが問われています。PDCAを機能させるためには、学修成果の測定が最大のポイントとなります。本学では汎用的な能力指標について4年ほど前から外部試験を導入しましたが、後に述べるようにうまく機能しませんでした。学内的に納得感のもてる指標はないかと模索するなかで、提案を受けたのがGPS-Academicでした。
導入の決め手は3つあります。 ①CBT(Computer-Based Testing)だったこと ②思考力を測れること ③ロジックに納得感があったこと。 ①については、受検に対する学生のストレスが少ないことを重視しました。今回(2018年4月実施)は、オリエンテーション期間に学部ごとにPC教室で実施したところ、全学部の新入生1000名超が受検し、高い受検率を達成できました。 ②については、これまで採用していたアセスメントが社会人基礎力の評価に寄りすぎていて、学修成果としての納得感が教員間で低かったことが背景にあります。そのため、大学が本来、育成しようとしている思考力や学習への意欲を可視化できるGPS-Academicへの教員の違和感は少なかったと思います。 ③は、このアセスメントは京都大学楠見孝先生の認知心理学の理論をベースとしており、参照集団が大学生であることもこのアセスメントに対する納得感につながったと思います。
通常、思考力について、様々な方法で評価し評点として記述するわけですが、GPS-Academicでは、「批判的思考力」「協働的思考力」「創造的思考力」と3つに分類して評価する点も魅力的です。このスコアと入試経路を紐付けると、3つの思考力の観点から学生の多様性を分析することも可能となるからです。