学修成果の可視化から入試制度改革まで、
GPS-Academicの結果を学内データと
組み合わせて、教学IR活動全体の議論を
盛り上げるツールとして活用したい

教学改善 入試検証

副学長/教育イノベーションセンター長/経済学部教授

杉本 義行先生

導入目的

  • 学生個々の思考力や学習意欲などを多面的に可視化するために
  • 入試経路別の学生の傾向を思考力の観点から可視化するアセスメントとして導入
  • 学修成果の可視化を実現し、教学IR活動につなげるツールのひとつとして活用

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01

学修成果としての汎用的能力の指標の導入とその活用
GPS-Academicと入試データで学生の多様性を検証

2018年度からの第3期認証評価では、実際に内部質保証システムが機能しているかが問われています。PDCAを機能させるためには、学修成果の測定が最大のポイントとなります。本学では汎用的な能力指標について4年ほど前から外部試験を導入しましたが、後に述べるようにうまく機能しませんでした。学内的に納得感のもてる指標はないかと模索するなかで、提案を受けたのがGPS-Academicでした。
導入の決め手は3つあります。 ①CBT(Computer-Based Testing)だったこと ②思考力を測れること ③ロジックに納得感があったこと。 ①については、受検に対する学生のストレスが少ないことを重視しました。今回(2018年4月実施)は、オリエンテーション期間に学部ごとにPC教室で実施したところ、全学部の新入生1000名超が受検し、高い受検率を達成できました。 ②については、これまで採用していたアセスメントが社会人基礎力の評価に寄りすぎていて、学修成果としての納得感が教員間で低かったことが背景にあります。そのため、大学が本来、育成しようとしている思考力や学習への意欲を可視化できるGPS-Academicへの教員の違和感は少なかったと思います。 ③は、このアセスメントは京都大学楠見孝先生の認知心理学の理論をベースとしており、参照集団が大学生であることもこのアセスメントに対する納得感につながったと思います。
通常、思考力について、様々な方法で評価し評点として記述するわけですが、GPS-Academicでは、「批判的思考力」「協働的思考力」「創造的思考力」と3つに分類して評価する点も魅力的です。このスコアと入試経路を紐付けると、3つの思考力の観点から学生の多様性を分析することも可能となるからです。

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02

1年次、3年次にGPS-Academicを実施し、学生の成長度合の検証にも活用したい

今回のGPS-Academic受検データを活用して、本学のIR担当職員が入試経路別の学生の傾向を分析し、学内で報告しました(図A)。分析では、指定校推薦・AO入試方式では「創造的思考力」が高い学生が集まっていることなどが明らかとなりました。従来、入試経路別の分析はGPAとの関係が中心であり、新鮮な問題提起と受け止められたのか、出席者から質問が相次ぎ、反響に驚きました。また、ある学部からは教授会で報告してほしいとのリクエストもありました。このように、アセスメントの導入が入試制度や教学に関する学内の議論の起爆剤となれば幸いです。
今後は、全学生が1年次、3年次に受検する体制を整え、思考力の伸びについて検証していきたいと思います。また、新入生・卒業生アンケートといった様々なデータと組み合わせることで、教学IRにおける評価指標のひとつとしてGPS-Academicを活用していきたいと考えます。このことは、「科学的研究を基とする教育」という成城学園の建学の精神につながるものと考えます。

図A

GPS-Academic受検データと学内の入試データをかけ合わせて、入試経路別の傾向を分析した報告書