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学生が身につけた力を客観的に評価できる、新たな指標を求めていた
明治大学商学部は、「世界で活躍できるビジネスパーソンの養成」を目指し、先進的な学部改革に取り組んでいます。カリキュラムの特徴は、2年次からの「演習教育のダブル・コア化」。商学部の専門ゼミと教養・総合科目系のゼミを同時に履修できるようにすることで、多角的な視点を養います。さらに、1年次に開講している「フューチャースキル講座」にも力を入れています。この授業では、企業が実社会で直面している課題を学生に提示。学生はグループで解決策を検討し、まとめ、発表します。
こうしたゼミナールやアクティブラーニング形式の教育現場で重要になるのが、学生たちがどのような力を身につけたのかを客観的に評価する基準です。学部独自のGPAだけで効果検証をするのは、無理があると感じていました。そこで、何かいいアセスメントのようなものはないかと探していたところ、GPS-Academicの存在を知り、導入に至りました。
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1年生はほぼ全員が受検。3年次に再度受検させ、授業改善につなげたい
今回(2018年4月実施)は、商学部1年生ほぼ全員にあたる約1,100名がGPS-Academicを受検しました。「新入生ガイダンスの場で受検の意義を説明したこと」、「ただのアンケートではなく、学生個人にフィードバックがあるアセスメントであると伝えたこと」が高い受検率につながったと考えています。
GPS-Academic導入の長期的な目的は授業改善での活用ですが、まだ入学当初の受検データしかない現在においては、まずはデータをもとに各学生の入学時の強み・弱みを把握していきたいと考えています。例えば商学部には、スポーツ特別入試や商業高校出身の生徒を対象にした公募制特別入試など、一般入試以外にもさまざまな入試形態で入学してくる学生がいます。彼らの強みを刺激し、伸ばしていく教育を検討するうえで、いわゆる「入試のための学力」以外の客観的な指標が役立つシーンがあります。
今後は、商学部の学生全員を対象に1年次・3年次にGPS-Academicを実施する予定です。取得したデータは、前出のゼミナールやアクティブラーニング形式の授業等を通じ、学生たちがどのような力を身につけたのかを測る客観的な指標として活用し、FD活動に役立てることを考えています。
従来の学部独自の評価システムに加え、GPS-Academicのデータを活用しながら、ビジネスの世界でますます求められる「思考力」を客観的に評価できる環境を整え、授業改善の議論に役立てていくつもりです。そして、「社会課題を解決したい」と真剣に考える学生たちに選ばれる学部であり続けたいと思います。