学生の成長を可視化し、
学修の動機づけを

学生指導

学長/教授

三幣 利夫先生

導入目的

  • 取得単位数やGPAだけでは把握することが難しい学生の成長を、汎用的な思考力の可視化を通じて捉える
  • 受検は1・3年生を対象とし、思考力に明確な差が見られるかを検討する
  • 学生自身が学修の振り返りを行う独自のアンケートを実施
  • 1・3年生の思考力の一部には明確な差が。何が学生の成長に影響を与えているのかを検証し、さらなる成長を促す取り組みへと発展させたい

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01

多角的な視点から学生の成長を可視化する

GPS-Academicを導入する以前から、学生の成長を可視化するための指標が必要だと考えていました。取得単位数やGPAはもちろん参考になりますが、例えばコミュニケーション能力、思考力など、それだけでは把握しきれない成果があるはずです。それらを多角的に把握するには、別の指標も必要でした。
アセスメントテストの導入を検討し、最終的な候補に残ったのがGPS-Academicでした。汎用的な能力を測るため、どの学部・学科でも活用でき、学修への姿勢・態度や経験まで幅広く問えること。これらが決め手となり、2018年度に初めて実施することになりました。

point
02

学生自身が強みに気づき、刺激を受けるように

受検の対象としたのは1・3年生です。所属しているゼミ単位で行いました。少しでも受検率を高めるために、ゼミの担当教員のアナウンスはもちろん、構内の掲示板、学内ポータルサイトにもお知らせを掲載し、受検しなかった学生には予備日での受検を促しました。ゼミ科目の成績評価には反映はしませんでしたが、受検率は全体で9割を超えました。
また、GPS-Academicの導入に合わせて、経営学科で進めていた「振り返りシート」の取り組みを全学へと広げることになりました。学部・学科の学びや単位の取得、学期を振り返っての満足度を学生自身に振り返らせるアンケートです。ここにアセスメントテストについての質問も加え、学内ポータルサイトを通じて記入を促しました。
振り返りシートを記入した学生には、成長した点や伸びしろのある点、今後の過ごし方について、必ず教員からフィードバックを行います。希望する学生には面談も行い、GPS-Academicの結果を参考にしながら、今後の学びや学生生活、進路についての相談に応じました。
振り返りシートを通じ、GPS-Academicに対する学生の反応も把握することができました。例えばコミュニケーション能力、論理的思考など、自分では気づかなかった長所・短所を把握することができたという声が多かったです。一方で、「どのように勉強すれば力を伸ばすことができるのか、どのような経験をすればよいのか知りたい」という今後の学びに前向きなコメントもあり、実施後のフォロー体制をどう作っていくかが、今後の課題になります。
まだデータの詳細は分析しきれていないのですが、1年生と3年生では、協働的思考力以外の2つの思考力について明確な差が見られるようです。何が要因になっているのか、カリキュラムや履修科目など、様々な点から考察し、今後の教育に生かしていく予定です。振り返りシートや面談時の指導方法も改善し、学生の成長を促す環境をさらに整えていく考えです。

学修成果への様々な要因の影響

学修成果への様々な要因の影響

学修成果には様々な要因が影響を与えると考えられる

学生視点のPDCA

学生視点のPDCA

振り返りに新たな目標設定を加えることで、学生自身が意欲と資質を高められるように