CBT形式のアセスメントを活用し
学修への動機づけを達成

学生指導

IR・アーカイブスセンター

鳥居 聖部長

導入目的

  • PBT形式のアセスメントでは、返却まで時間がかかる。実施後なるべく早く結果を伝え、モチベーションのあるうちに学修への動機づけを行いたい
  • 学生による活用だけでなく、教員の指導にもデータを取り入れるため

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実施後すぐに指導できることが何より重要

桜美林大学は2018年度まで、ベネッセ i-キャリアが提供する「大学生基礎力レポート」を実施してきました。1年生には入学時のオリエンテーションの一環として受検させていたので、受検率は100%に近いものでした。
ただ、このアセスメントはPBTであり、結果の返却まで3週間は待たなければなりません。3週間もあれば学生はアセスメントのことを忘れてしまいますし、4月の頭に実施した場合、結果を手にするのはちょうど大型連休の直前。参加者は少なく、3年前まで70人規模の小教室で間に合ったという。その後の2年間は数こそ増えたものの学生への響き方は今ひとつで、フォローアップガイダンスはなかなか活性化しなかった。
鉄は熱いうちに打てというように、アセスメントもなるべく早く学生に結果を知らせ、フォローした方が効果的でしょう。そのために、CBT形式のアセスメントを新たに探すことになりました。複数の候補のうち、本学に最も合うと考えたのがGPS-Academic。大学での学修で培われる“思考力”を測れること、社会で求められる汎用的な力を多面的に測れることに共感し、導入を決めました。また、大学生基礎力レポートと共通する設問が多く、過去のデータを経年比較に利用できる点や、学修に向かう姿勢・態度など、測定項目が多岐にわたる点も大きかったです。

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学生自身の活用にとどまらない可能性も

アセスメントの対象は1・2年生です。1年生には入学後のオリエンテーションでテストの概要と受検の意義を説明し、自宅のパソコンで受検してもらいました。受検率はやや下がってしまいましたが、それでも全国平均と比べるとまだまだ高かった。期限内に受検しなかった学生にメールで受検を促したことも功を奏したのでしょう。
何より、CBTに切り替えたことで、実施直後に結果を確認することが可能になりました。フォローアップガイダンスも、2019年度は4月10日と早期に実施でき、前年の3倍を超える約1800人の学生が参加してくれました。入学して10日後には、自分の強み・弱み、今後取り組むべき課題が明確にあるのですから、よいモチベーションを持って今後の学修に向かっていけるはず。結果のフィードバックまでの期間を短くできたおかげで、学生の意識が大きく変わったように感じますね。
学生への動機づけが軌道に乗ったため、次は教員による活用も検討しています。学生の入学時点の特性を把握できるのであれば、例えば中途退学予防のための指導にも生かせるかもしれません。まずはアセスメントの周知を徹底するために、学群長への報告会、SDでGPS-Academicの説明を企画しています。
アセスメントの活用は今後さらに広がるでしょう。既に、入試方式別に学生の特性を分析して選抜方法の改善に生かすことや、経年比較のもとでカリキュラムの検証を行う取り組みが浮かんでいます。また、就職支援との連携も検討中。ベネッセ i-キャリアのオファー型就職支援サービス「dodaキャンパス」のポートフォリオ上に結果を掲載することで、企業へ効果的に学修成果をアピールできるでしょう。こうして活用の幅を広げていくために、アセスメントの実施対象を4年生に広げるつもりでいます。
大学の教職員の仕事はエビデンスがなくてもやれないことはないが、今後はそれでは立ち行かなくなる。われわれにとって最も重視すべき学生のデータに向き合うことを出発点にして、データに基づいてPDCAを回す方向へと教職員の意識を変えていきたいと考えています。

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