アセスメントを通した教職協働の浸透

教学改善

左から順に

教学センター主任

中嶋 早紀様

教学センター課長

岡田 光博様

文化学部事務長補佐

中原 正樹様

文化学部副学部長

志賀 浄邦先生

学長室IR推進室長

大西 達也様

生命科学部副学部長

佐藤 賢一先生

生命科学部事務長

井上 朋広様

導入目的

  • アセスメント・ポリシー策定の検討材料として
  • アセスメントの対象学年を拡大するため

point
01

教員・職員が一体となってアセスメントを運用する

岡田課長:
本学はもともとGPS-Academicの前身である『自己発見レポート』を導入していました。当初は新入生に入学時点の自身の強み、弱みを把握させることだけが目的でしたが、昨今の教学改革を取り巻く環境の中で、本学でもアセスメントを教学改革のアプローチの一つとして活かしていくことが求められていました。
そのため、新入生以外の学年にもアセスメントを実施し、広くデータを取ろうと考えたのですが、紙のアセスメントのままでは実施上の負担が大きい。そこで、コンピューターで実施できるGPS-Academicに注目しました。
大西課長:
学長室で扱っている認証評価においても、アセスメント、アセスメント・ポリシーの重要性が高まっています。どのようにアセスメントを用いるか、検討の材料としてGPS-Academicには期待を寄せています。特にアセスメント・ポリシーの策定において、より現場の意見を取り入れたいと思い、学部にも協力を募ることにしました。そこで手を挙げてくれたのが文化学部と生命科学部の2学部でした。このようにして、本学は教学センター、学部、学長室IR推進室、教育支援研究開発センターが手を取り合ってアセスメントに関する議論を深めています。
中原事務長補佐:
受検者に係る分析結果を聞いて、先生方の肌感覚にある学生像を、数字で裏付けることができそうだと感じました。今進めているカリキュラムファイリング改革の取り組みを加速できそうだと、興味を惹かれましたね。
佐藤先生:
生命科学部では、学生の学修意欲をさらに高めたいと考えていましたので、学生の学修姿勢や態度、伸びを可視化できるのであれば、ぜひ試したいと思いました。であれば、アセスメント・ポリシーの策定にも関わるべきだろうと。

point
02

成長を可視化することの多様なメリット

大西課長:
2019年度は1・2年次生に実施しました。分析したところ、例えばいわゆる“楽単”ばかり履修する学生とそうでない学生は、思考力の伸びに大きな差があるといったことがわかりました(下図)。これまでこうしたデータを取ることはできなかったので興味深いです。GPAや教員の肌感覚など、学内の他のリソースと掛け合わせることで、教学改革に活かせる様々な仮説が立てられるのではと考えています。
志賀先生:
文化学部だけでデータを見ると、議論した経験があるかという設問に関して、肯定的に答えている層には思考力の大きな伸びが見られました。このように、GPAでは測ることができない学生の成長を把握できるようになったことが一番の発見です。 また、文化学部国際文化学科は2020年度に新しい必修科目「文化学部の学びとキャリア」を立ち上げる予定です。そのうち数コマをロジカルシンキング・クリティカルシンキングのトレーニングに当てようと考えていたのですが、その学びの動機づけ、現状の力の自覚にGPS-Academicが活かせるだろうとも考えています。
佐藤先生:
生命科学部も、今後いくつか活用したい場面があります。一つはカリキュラムが期待した成果を挙げているか、PDCAを回すうえでの評価の方法として。知識の定着はもとより、学生が学び続ける意欲を身につけられているか、検討材料にしたいと思います。 また、学生との面談でも積極的に活用していきたいですね。半期に一度、次の学期の履修について個別に面談したいと考えているのですが、アセスメントの結果を見れば、学生の関心や伸びしろについてアドバイスしやすくなると思います。
井上事務長:
アセスメント・ポリシーについても前向きに検討していく予定です。出せと言われたから出すのではなく、学生自身が理解できるよう、しっかりと考え抜く。そうすることで、学生は自信を持って学修に向かい、社会に出ていくことができるはずです。その表現を考える際、教員・職員・学生をつなぐ共通言語として、アセスメントが活かせるでしょう。

※“楽単”科目と思考力の関連性

1年生→2年生 思考力総合スコアパネルデータ

1年生→2年生 思考力総合スコアパネルデータ