新設学部の特色を
データを用いて証明した

入試検証 学生指導

共創学部

三木 洋一郎教授(左)
鏑木 政彦教授(右)
木實 新一教授

導入目的

  • 入試の検証のため
  • 学生自身の成長の気づきのため
  • e-ポートフォリオに蓄積するデータとして

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01

複数の視点から別々の利点を見出す

共創学部は2018年に新設された、九州大学の中で最も新しい学部です。課題構想力、協働実践力といった課題解決に関わる資質を伸ばす学部で、学科ではなく4つの「エリア」によって学びの領域を分けていることが特徴です。
アセスメントは新設された2018年度に導入しました。導入には複数の教員が主体的に関わっており、それぞれ別の視点から、アセスメントの価値を見出していました。一つは、入試の検証ツールとして。共創学部は「知識を問う入試から、能力を見極める入試への転換」をキーワードに、「AO入試」「推薦入試」「一般入試」「国際型入試」の4つのタイプの入試を実施して多様な学生を選抜しています。これらの入試で、アドミッション・ポリシーに沿う人材を確保できているのか、新設間もないうちから検証したい、という意見を出発点にして、教授会で議論が広がり、思考力や姿勢・態度の現状を学生自身に気づかせることに意義がある、グループワークなどでの学生の行動に対する形成的評価の一助に、e-ポートフォリオと連携するデータの一つとして、といったふうに、複数の教員がアセスメントのメリットを肯定しました。
もちろん、すべての教員が両手を挙げて賛成したわけではありません。ただ、九州大学全体で入試の検証を重視し始めたことも重なって、まずは希望する学生を募って、試行的にGPS-Academicを実施することを決めました。

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02

新設学部だからこそ、客観的な振り返りが重要

2019年度から、実施対象を学部の全1年生へと広げました。共創学部の1年生は前期の間、「合同チュートリアル」を履修します。入学時のオリエンテーションから、この授業の中でアセスメントを行うことを繰り返しアナウンスした結果、受検率は90%超に。自宅での受検とした2018年度の実施よりも、ずっと高い受検率を確保できました。
実施してまずわかったのは、学生が共創学部の学びの特色をきちんと感じられていることです。GPS-Academicの学生調査アンケートには、「教員の指導が充実している」「英語教育が充実している」といった回答が多く見られました。意図した通りにカリキュラムを実施できている証拠でしょう。一方で、「学びたいことが見つからない」という、学びの分野の広さに起因する悩みも見られました。特色のよさの裏返しではありますが、スコアが低かった学生とともに、こうした学生へのフォローを考えていく必要がありそうです。
共創学部は2020年度で新設3年目を迎えます。一期生が卒業するまでは毎年度新しいカリキュラムを実施していく必要がありますので、アセスメントの活用をさらに深めていくのはそれからになりそうです。ただ、そうした手探りの状態だからこそ、教育の内容が学生に響いているかどうか、客観的な指標で確かめていくことは重要なはずです。特にGPS-Academicは他大学も多く導入しているアセスメント。受検者層が近い大学・学部をはじめ、様々な大学と比較しながら、カリキュラムの成果検証などに取り組めていけたらと思います。
また、どのような形でアセスメントを活用するにせよ、今以上に教員間の連携を深めていく必要はあるでしょう。データがどれだけ揃っても、それを解釈するのは私たち教員です。我々自身が学部教育の軸をしっかりと考え、アセスメントを教育改善に生かしていきたいですね。

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  • 2020年度 GPS-Academic活用オンライン研究会
    ~学生・大学への効果を最大化する活用方法を考える~
    「GPS-Academic を活用した『入試検証』の取り組み」