学生の「個」を伸ばすために
アセスメントを導入。
4年間の一貫した学修&キャリア支援の体制を構築し、高大社接続を強化。

学生指導 キャリア教育

国際教養学部 学部長

宮崎 緑教授(左)

学部事務課 課長

伊藤 紘太様(右)

導入目的

  • 「学部で養成する能力が、きちんと身についているか」を多角的に検証するため
  • 学生の成長を促す面談の材料とするため
  • 大学で培った力を可視化し、一人ひとりのキャリア形成を支援するため

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学生の「個」を伸ばすためにアセスメントを導入

本学は2020年度から国際教養学部でGPS-Academicを導入しました。アセスメントを導入した最大の狙いは、学生の力を可視化し、彼らの成長を促すためです。
国際教養学部は、5つの資質(①「幅広い教養」②「課題解決能力」③「情報発信力」④「語学」⑤「海外経験」)を学生に身につけさせることをめざしています。これまでも、「これらの資質をバランス良く身につけられているか」を確認するため、さまざまなツールを用いて学修成果の可視化に取り組んできましたが、「課題の発見・解決」という部分を可視化することはできていませんでした。思考力や資質・態度等を測るアセスメントの導入を検討したのは、この部分における学生の力を明らかにしたかったからです。
アセスメントはまず、入学直後の新入生に実施します。その後は卒業するまで毎年受検してもらい、経年の成長を把握する予定です。受検後はフィードバック面談を設け、学生が自分の強みを伸ばせるように一人ひとりにアドバイスします。
導入初年度は、コロナ禍の真っ只中で実施しました。学生には自宅で受検させることができましたが、フィードバック面談を対面で行うことができないため、4月下旬からオンラインで面談を行なっています。 対面と比べて、オンラインではフラットな会話が難しいのですが、教員と学生がアセスメントの結果を見ながら話すことで、オンラインでもコミュニケーションの質が上がり、学生の持ち味を把握する助けになったと思います。また、学生のほうも「自分ではもっと○○のスコアが高いと思っていた」「思っていたよりも○○の評価が高かった」など、自分自身を再発見する良い機会になったようです。
アセスメントの結果は学部全体の傾向の把握、入試区分ごとの傾向の把握などにも活用します。ただ、今はマスプロ教育の時代ではありませんから、集団における平均値はあまり気にしていません。それよりも重要なのは一人ひとりの『個』をいかに伸ばしてあげるか。GPS-Academicの結果は、あくまで学生が“自分に合った学び”をして、それを成長につなげていけるように、活用していきたいと考えています。

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高校~大学~社会をつなげるキャリア形成のしくみを構築

今、大学は高大接続、大社接続の強化を求められており、国際教養学部もこの点を強く意識しています。高大接続の面では、入学者が高校時代に探究学習等を通して伸ばした「個」をGPS-Academicで把握し、大学でそれをさらに伸ばす取り組みを始めていますし、大社接続の面では、大学で培った力を社会と結びつけるために、2020年度から学生に「学修と学生生活の記録(memorandum)」に取り組ませています。これは目的や記録方法を動画や資料を用いて説明の上、KPT法(Keep・Problem・Try)に基づいて、学修面と生活面での取り組み、留学中に得た経験や海外で感じた自己の成長を、毎月、デジタル上に記録していくもの。
本学は2019年に、約800社の企業と提携した独自の就職マッチングサイトをつくりました。学生がこのマッチングサイトに自己PRなどを登録することで、関心を持った企業からオファーを受けることも可能です。学生には、GPS-Academicの経年データに加え、大学生活の経験と振り返りを蓄積し、自らのキャリア形成に活かしてもらいたいと考えています。
社会変化の激しさが増している今、高等教育も進化しなくてはいけません。そのためには新しいツールを積極的に取り入れていく姿勢が求められるでしょう。我々も試行錯誤を重ねて、有効な活用方法を見極めていきたいと思います。

面談を担当した
先生方の声

  • 教員A

    入学後すぐその人の人となりが良くわからない時点で、それぞれの個性、特徴が表れていたことはとても興味深い。
    また、必要能力(思考力、姿勢・態度、経験)について、現状と今後すべき方向性を示し、教育、指導の材料とできた。

  • 教員B

    学生も自分の長所や弱点を認識して、今後につなげられることを理解できたようです。まだ入学したばかりで授業も始まっていない段階のため、学生は大学での教育や授業があまり分かっていないので、授業の受け方や学修の仕方を合わせて理解してもらう機会になったかと思います。

  • 教員C

    学生の共通言語となるので便利。
    個々の学生および学年の傾向を捉える上でも便利だった。
    学部をあげて、指導にどう活用するのか議論を深めたい。

GPS-Academic受検による学修サイクル

GPS-Academic受検による学修サイクル

seminar videos

セミナー動画

  • 2021年度外部アセスメント活用オンラインセミナー
    ~面談を通じた学生の能力・気質の早期把握について~

  • 2020年度 GPS-Academic活用オンライン研究会
    ~学生・大学への効果を最大化する活用方法を考える~
    「GPS-Academic を用いたリモート面談の実施」