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学生の「個」を伸ばすためにアセスメントを導入
本学は2020年度から国際教養学部でGPS-Academicを導入しました。アセスメントを導入した最大の狙いは、学生の力を可視化し、彼らの成長を促すためです。
国際教養学部は、5つの資質(①「幅広い教養」②「課題解決能力」③「情報発信力」④「語学」⑤「海外経験」)を学生に身につけさせることをめざしています。これまでも、「これらの資質をバランス良く身につけられているか」を確認するため、さまざまなツールを用いて学修成果の可視化に取り組んできましたが、「課題の発見・解決」という部分を可視化することはできていませんでした。思考力や資質・態度等を測るアセスメントの導入を検討したのは、この部分における学生の力を明らかにしたかったからです。
アセスメントはまず、入学直後の新入生に実施します。その後は卒業するまで毎年受検してもらい、経年の成長を把握する予定です。受検後はフィードバック面談を設け、学生が自分の強みを伸ばせるように一人ひとりにアドバイスします。
導入初年度は、コロナ禍の真っ只中で実施しました。学生には自宅で受検させることができましたが、フィードバック面談を対面で行うことができないため、4月下旬からオンラインで面談を行なっています。
対面と比べて、オンラインではフラットな会話が難しいのですが、教員と学生がアセスメントの結果を見ながら話すことで、オンラインでもコミュニケーションの質が上がり、学生の持ち味を把握する助けになったと思います。また、学生のほうも「自分ではもっと○○のスコアが高いと思っていた」「思っていたよりも○○の評価が高かった」など、自分自身を再発見する良い機会になったようです。
アセスメントの結果は学部全体の傾向の把握、入試区分ごとの傾向の把握などにも活用します。ただ、今はマスプロ教育の時代ではありませんから、集団における平均値はあまり気にしていません。それよりも重要なのは一人ひとりの『個』をいかに伸ばしてあげるか。GPS-Academicの結果は、あくまで学生が“自分に合った学び”をして、それを成長につなげていけるように、活用していきたいと考えています。