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面談にデータを取り入れることで、学生サポートの拡充を実現。
植草学園大学は発達教育学部、保健医療学部の2学部を設置した私立大学です。発達教育学部は主に保育士や小学校教諭・特別支援学校教諭として活躍する人材の育成を、保健医療学部は理学療法士や作業療法士として社会を支える人材の育成をめざしています。さらに、植草学園短期大学のこども未来学科では保育士や幼稚園教諭の育成に力を注いでいます。
本学は2020年度よりアセスメントツール「GPS-Academic」を導入し、その活用を始めました。このアセスメント結果を学生面談に取り入れ、きめ細やかな支援につなげている点が特徴です。本学は、これまでも年2回の定期面談に加え、悩んでいる様子が見られる学生には積極的に声をかけて学修や進路についての相談に乗るなど、手厚いサポートを行なってきました。面談の際は学生の履修記録や授業成績などを資料にしていましたが、これにアセスメントの結果を加えることで、学生の個性や置かれている状況をより多角的に把握できるようになりました。
さらに、面談に客観的データを交えることで、学生がアドバイスを受け入れやすくなったというメリットも感じています。大学生は精神的に大人ではありますが、経験が浅く、深い自己理解ができているわけではありません。思い込みだけで「自分は、こうだから」と主張する学生も少なからずいます。アセスメントツール導入後は、定量的なデータを交えて話すことで、「こういう視点でも考えることができるのでは?」という提案を、説得力を持ってできるようになっています。
また、中には自己肯定感に乏しい学生もいますが、「こういう能力は高く評価されているから大丈夫」など、データを示しながらアドバイスすることで、学生を勇気づけ、後押しすることができるようになりました。このように、アセスメント結果は、主観的な自己像と客観的な自己像のズレを明らかにし、それについて教員と学生本人がディスカッションするための有効なツールだと言えるでしょう。
さらに、アセスメントツールの中で実施する「学生意識アンケート」も学生支援の役に立っています。特に2020年度はコロナ禍ということで、学生と対面する機会が減りましたが、アンケート結果を見ることで、学生の不安を把握することができました。
なお、本学では希望があれば保護者面談も実施しており、学生の成長について説明する際にも、アセスメントの結果を活用しています。これは保護者と学生本人の会話のきっかけにもなっているようです。