学生と保護者に対し教育成果を示す材料に

教学改善 学生指導

キャリアセンター長

浅野 和生先生

アセスメント担当

佐々木 孝夫先生

IR室長

伊藤 正弘先生

スポーツ健康学部長

村田 芳子先生

法学部長

石上 泰州先生

キャリアセンター
職員の皆様

導入目的

  • 学修成果を可視化し、学生・保護者に示すため
  • 大学改革全般における成果検証のため

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学修成果の可視化は大学の責務

本学は2018年度に「私立大学総合支援事業」に採択されて以降、全学的な教育の質向上を加速させています。この事業の一環として、アセスメントテストに関する取り組みを始めました。
本学はこれまで、学生課や教務課がそれぞれの業務に関する学生調査を行っていましたが、そこで得られる情報は断片的なもので、教育成果を示すものとしては不十分でした。教育の質を向上させるだけでなく、さらに一歩踏み込み、その成果をきちんと学生や保護者に示していくために、本学の学生像をより本質的に捉えられる指標を導入したいと考えました。そのほか、アセスメント・ポリシーの策定をはじめ、大学改革の個々の成果を検証するうえでも役立つだろうと考えたことも、導入に至る背景と言えます。
また、多くの高校は実力テストなどで、学校全体の生徒の質を把握している一方で、大学も全学的なテストを行い学生把握の機会があってもいいのではないかという議論も、外部アセスメントテスト導入を考えるきっかけになりました。
様々なアセスメントを比較検討した結果、実際に導入したアセスメントテストは「大学生基礎力レポート」と「GPS-Academic」の2つです。どちらも学生目線に立った、アカデミックなアプローチを採用している点に惹かれました。開発過程について聞いても、アセスメントとしての魅力が伝わってきましたね。

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02

結果を保護者に直接伝える試み

本学はキャリア教育に力を入れており、その一環として保護者に対する就職説明会を開催しています。例年、就職状況や保護者の心構えを解説しているのですが、2019年度はここにアセスメントテストに関する説明も付け加えました。
説明会では保護者全体への説明として、内定の早期化、ジョブ型採用の登場など、昨今の就職活動の特徴を取り上げます。その後、話題を大学生基礎力レポート、GPS-Academicへ。保護者には事前に我が子の結果帳票を配り、それを見ながら「思考力」「姿勢・態度」「経験」といった項目がどういうもので、就職活動や学修にどう関わるのか、またより力を伸ばすために保護者はどんな態度を取ればよいか解説しています。
説明会が終わった後、希望する保護者は教員との個別面談を行なうこともできます。本学ではすべての学生に4年間指導教員がつきますので、その教員とマンツーマンで、普段の学修状況や我が子の強み、その他の相談ごとについて話してもらっています。この際も、例えば学生の強みを示すデータとして、アセスメントテストの結果を提示したり、普段の学修状況と絡めて説明したりしていますね。
会終了後には保護者から「自分の息子がこんな力を持っているとは知らなかった。家で息子を褒めてあげたいと思います。」等、新たな角度での可視化に対して、好評の声が多く聞こえてきていました。
保護者説明以外の場面でも、例えばキャリア関係の面談など、様々な場面でアセスメントテストのデータを活用しています。今後は退学意向のある学生に対する働きかけなどでも使っていけたらと考えています。
一方で、まだアセスメントテストの実施後のフォローが十分でないことや、学生の成長を本人にどう伝えるか見通しが立っていないなど、いくつか課題もあります。学生の傾向など、アセスメントテストの情報を全教職員が共有し、大学全体で活用していく土壌をつくる必要があると感じています。また公務員試験の模試をはじめ、外部の他のデータとも連携させて、学生の成長をより多角的に表現するのもいいだろうと考えています。活用の幅を広げ、大学改革をさらに加速していく予定です。

GPS-Academic結果に基づく面談風景